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展開・コース / 図解と例題

スリット隊形と展開パターン

説明用の隊形図から、その先の動きを考える。同じ並びでもターンの仕方が変わる例を比べ、一つの展開に決めつけずに考える練習をします。

このページで分かること
どのコースに何号艇がいるかを確かめ、そこから考えられる動きを比べます。同じ隊形でも展開を一つに決められない理由と、次に注目する場面を学びます。

01 並びを読んで、次に見る動きを考える

公式用語のスリットは、STを測る写真に一定の間隔で引かれた線を指します。この教材では、スタート付近における艇の並びを「スリット隊形」と呼んで見比べます。以下は計測写真の再現ではなく、位置関係を説明するために作った図です。出典:スリット

まず、内側から何コースに何号艇がいるかを確認します。以下の図は、読み取りに集中するため1コースに1号艇、2コースに2号艇、…、6コースに6号艇と設定しました。実際の進入もこの順になる、と決めつけないようにします。確認先:進入コース

4つの図は、同じ大きさ・同じコース間隔で前後の位置だけを変えています。右が進む向き、上が内側、下が外側。説明のために、ある一瞬の並びを描いたものです。実際の距離・速度・STは表していません。

隊形の見出しを開くと図と観察点を読めます。複数を開いたまま見比べられます。

01 横に揃って見える
説明用の隊形図
6艇が横に揃って見える隊形1コースから6コースまで、艇の先端を同じ前後位置に置いています。左端はコース番号、舟形の中は艇番です。この説明用の例では、1コースに1号艇から6コースに6号艇まで艇番どおりに並べています。上が内側、下が外側、右が進行方向です。同じ瞬間の位置を例として描いたもので、STの値、実際の距離や速度は表していません。コース進む向き →内112233445566外舟形の数字=艇番
舟形の数字は艇番、左端はコース。点線は各行の補助線です。実距離やSTを表す目盛りではありません。
次に確かめる動き
誰が先に旋回へ向かうかを、次の場面で確認する。
この図だけでは決まらないこと
この一瞬が横並びでも、その後の前後関係まで同じとは限りません。
02 内側の艇が後ろに見える
説明用の隊形図
内側の2艇が後ろに見える隊形1・2コースの艇を、3〜6コースの艇より後方に置いています。左端はコース番号、舟形の中は艇番です。この説明用の例では、1コースに1号艇から6コースに6号艇まで艇番どおりに並べています。上が内側、下が外側、右が進行方向です。同じ瞬間の位置を例として描いたもので、STの値、実際の距離や速度は表していません。コース進む向き →内112233445566外舟形の数字=艇番
舟形の数字は艇番、左端はコース。点線は各行の補助線です。実距離やSTを表す目盛りではありません。
次に確かめる動き
外側から来る艇と、内側の艇の接近の順序を追う。
この図だけでは決まらないこと
内側の艇が後ろに見えても、外側の艇がまくって勝つとは限りません。
03 中ほどの艇が前に見える
説明用の隊形図
中ほどの2艇が前に見える隊形3・4コースの艇を、ほかの4艇より前方に置いています。左端はコース番号、舟形の中は艇番です。この説明用の例では、1コースに1号艇から6コースに6号艇まで艇番どおりに並べています。上が内側、下が外側、右が進行方向です。同じ瞬間の位置を例として描いたもので、STの値、実際の距離や速度は表していません。コース進む向き →内112233445566外舟形の数字=艇番
舟形の数字は艇番、左端はコース。点線は各行の補助線です。実距離やSTを表す目盛りではありません。
次に確かめる動き
中ほどの艇が内側の相手の外・内のどちらへ向かうかを見る。
この図だけでは決まらないこと
前に見える位置だけでは、まくりとまくり差しを区別できません。相手ごとの動きが必要です。
04 外側の艇が前に見える
説明用の隊形図
外側の2艇が前に見える隊形5・6コースの艇を、1〜4コースの艇より前方に置いています。左端はコース番号、舟形の中は艇番です。この説明用の例では、1コースに1号艇から6コースに6号艇まで艇番どおりに並べています。上が内側、下が外側、右が進行方向です。同じ瞬間の位置を例として描いたもので、STの値、実際の距離や速度は表していません。コース進む向き →内112233445566外舟形の数字=艇番
舟形の数字は艇番、左端はコース。点線は各行の補助線です。実距離やSTを表す目盛りではありません。
次に確かめる動き
外側の艇の位置を、旋回への接近と旋回後にも追う。
この図だけでは決まらないこと
直線で前にいても、旋回後やゴールまで同じ順位を保てるとは限りません。
まくる

並びは、次の動きを見る手掛かりなんだね。この先、どちらへ回るかを追ってみよう。

02 同じ隊形でも、通り方は一つではない

練習用の例

変える条件は、Aの旋回経路だけ

最初の横に揃って見える隊形から、A=1号艇・1コースと、B=2号艇・2コースに注目します。残り4艇の動きは省略し、2艇が互いにどこを通るかを考える練習にします。

両方に共通の設定
最初の隊形・艇番・コースは同じで、このあとAが先に第1ターンマークを回るとします。ただし、最初の並びだけでAが先に回ると分かるわけではありません。
変える設定
Aが小さく回るか、Aの旋回経路が外へ広がるか。
比べるもの
それぞれの場合に、Bが通りそうな経路を一つずつ描きます。計算で求めたものではなく、考えられる動きの一例です。

条件 A

Aが小さく回る

考えられる通り方 / 経路の比較
Aが小さく回る場合:Bは外側を回ることが考えられるAは1号艇・1コース、Bは2号艇・2コースです。どちらの例も同じ並びからAが先に回り始めます。Aの回り方だけを変え、Bがどこを通れそうかを一つずつ示しています。破線のAに対し、実線のBは外側を回る例です。右の第1ターンマークへ向かい、左回りに旋回して上側を左へ進みます。線は考えられる経路を描いたもので、実際にそこを通れるか、何着になるかまでは示していません。艇の位置や速度、距離を測る図でもありません。旋回後 ←外側1マーク内側AB接近 →2号艇(黒)2
  • 破線 A:1号艇・1コース。この例では先に回ります。
  • 実線 B:2号艇・2コース。Aの外側を回る場合を考えます。
  • 動く2号艇は、Bが通ると考えた経路をたどります。Aの経路は比較用に固定しています。
破線はAの設定、実線はBの候補。線は同じ瞬間の艇位置や、実距離・速度を示しません。

候補:BがAの外側を回る経路を取り上げます。実際に外を回ったか、Aより前へ出たかは、その後の動きで別々に確認します。

Aが小さく回れば、Bは必ず外へ行く、という規則ではありません。BがAの後ろを追うなど、ここに描いていない動きもあり得ます。

条件 B

Aの経路が外へ広がる

考えられる通り方 / 経路の比較
Aが外へ流れる場合:Bは内側を通ることが考えられるAは1号艇・1コース、Bは2号艇・2コースです。どちらの例も同じ並びからAが先に回り始めます。Aの回り方だけを変え、Bがどこを通れそうかを一つずつ示しています。先に回った破線のAのあとを、実線のBが内側から通る例です。右の第1ターンマークへ向かい、左回りに旋回して上側を左へ進みます。線は考えられる経路を描いたもので、実際にそこを通れるか、何着になるかまでは示していません。艇の位置や速度、距離を測る図でもありません。旋回後 ←外側1マーク内側AB接近 →2号艇(黒)2
  • 破線 A:1号艇・1コース。この例では先に回ります。
  • 実線 B:2号艇・2コース。Aの内側を通る場合を考えます。
  • 動く2号艇は、Bが通ると考えた経路をたどります。Aの経路は比較用に固定しています。
Aが先に通ったあとのBの候補です。航跡が交わる点を同時通過する意味ではなく、安全な間隔を示す図でもありません。

候補:先に回るAの内側へBが向かう、差しを狙う経路を取り上げます。公式の差しの説明でも、内の艇を先に回らせ、その内側を通る動きが示されています。確認先:差し

空間があるように見えても、Bがその場所を通れるとは限りません。Bがそこへ来たときにAがどこにいるかも見なければ、実際に通れるか、抜けるかは分かりません。

どちらの図も、勝つ艇までは決めていません。Aの回り方が変わると、Bの通り方も考え直す必要があります。その違いを比べるための図です。ほかの通り方もあり、残り4艇を含むレース全体を予測したものでもありません。

03 考えた展開を、その後の映像で確かめる

1枚の隊形から結論を出さず、接近・旋回・結果をつなげて見ます。公式用語の行き足は、スタートへの助走から1周第1ターンマークへ向かう間の加速状態。伸びは、直線での速さに関わる艇の走りの特徴です。公式解説も、伸びだけで勝負が決まるわけではないとしています。行き足伸び

これらの用語を、一瞬の配置だけで「良い・悪い」と判定しません。動きが確認できる映像の前後も見て、位置関係がどう変わったかを言葉にします。

観察した事実
「初期図では横に揃っていた」「この例ではAが先に旋回した」。どの時点の、どの艇についての情報かを残す。
考えた候補
「BがAの外を回る経路」「BがAの内を通る経路」。考えた段階では、実際にそこを通れるか、前へ出られるかはまだ分からない。
あとで確かめること
実際にどこを通ったか、相手との前後関係がどう変わったか、最後に誰が勝ったか。結果の決まり手は1着艇について確認する。確認先:決まり手

たとえば条件Bでも、BがAの後ろを追ったなら、描いた内側の経路は実現しなかった候補です。候補と違う動きも記録すると、「この隊形なら必ずこの形」という決めつけを避けられます。

04 図から言えることを、理由とともに

理解チェック

『内側の艇が後ろ』の図だけで、外側の艇がまくって勝つと決めてよい?

答えを見る前に、理由をひと言で説明してみましょう。

答えと理由を読む

決められません。図は、説明のために作った、ある瞬間の位置関係です。そこから旋回までの動き、相手のどちら側を通ったか、最後に勝ったかは示していません。まず外側と内側の艇の接近の順序を、次の場面で確かめます。

理解チェック

比較の条件BでAの経路が広がった。Bが差すと考えてよい?

答えを見る前に、理由をひと言で説明してみましょう。

答えと理由を読む

差すとは限りません。実線は、BがAの内側を通るとしたら、という一例です。実際にそこを通ったことや、追い抜いたことを表してはいません。実際のBがそこを通ったか、前へ出たかを確認し、さらに1着になった艇の決まり手を結果で確かめます。

理解チェック

AとBのSTに0.05秒の差があれば、初期図の前後間隔を決められる?

答えを見る前に、理由をひと言で説明してみましょう。

答えと理由を読む

その時間差だけでは決められません。STはラインを通過する時刻の情報です。同じ瞬間の間隔を求めるには、各艇の位置や速度も必要です。今回の図の位置は、STから計算したものではありません。

隊形を読めたら、「どの艇を」「どの場面で」「何と比べるか」まで言葉にしてみましょう。このページの図は、考えられる通り方を比べるためのものです。着順や、その確率を計算したものではありません。

過去の事例から展開を考えるときは、何走を、どの期間から選んだかも確認します。母数・集計期間・偏りの読み方で、一部の事例だけでレース全体の傾向や次走の確率を判断できない理由を学びましょう。

過去の結果と筆者の解釈を読み分ける練習は、毒島選手の1–3説から学ぶ展開の条件へ。このページの練習用の例とは異なり、実際の記録を使って確かめます。

出典と確認範囲

用語やルールの説明は、以下の公式資料をもとにしています。例題や図解は、理解を助けるために当サイトで作成しました。

  1. BOAT RACE 用語辞典:スリット

    ST測定用の写真に一定間隔で引かれた線というスリットの定義

    資料確認日:
  2. BOAT RACE 用語辞典:進入コース

    内側から艇番で表す進入順序

    資料確認日:
  3. BOAT RACE 用語辞典:スタートタイミング(ST)

    大時計の0秒を基準とするSTの定義と1/100秒単位の表示

    資料確認日:
  4. BOAT RACE 用語辞典:行き足

    スタートの助走から1周第1ターンマークに至るまでの加速状態という行き足の意味

    資料確認日:
  5. BOAT RACE 用語辞典:伸び

    直線での速さに関わる伸びの意味。伸びのよさだけで勝負は決まらない

    資料確認日:
  6. BOAT RACE GUIDE:差し

    内の艇を先に行かせた後、空いた内側を抜く差し

    資料確認日:
  7. BOAT RACE 用語辞典:決まり手

    1着艇の勝ち方を指す決まり手の意味。6種類の分類

    資料確認日:

このコースでの位置

数字は、このコースで読む順番を表しています。

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