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【競艇】藤原菜希選手が12ヵ月出場停止に【背景考察】

【競艇】藤原菜希選手が12ヵ月出場停止に【背景考察】
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まくる

今回はボートレース界でちょっとした騒ぎになっている藤原菜希選手の12ヵ月(1年)出場停止処分についてまとめました、あとこの処分に対する私の感想も書きました。

目次

藤原菜希選手(4627)について【簡単紹介】

選手名 藤原菜希
登録番号 4627
生年月日 1986年4月20日
身長/体重 157㎤ / 47㎏
血液型 A型
支部 東京支部
出身地 大阪府
登録期 107期
級別 A2級

藤原菜希選手(4627)は女子を代表するA級選手の一人で、持ち前のスタート力を武器にカドからのまくりをよく決めたりと、男子選手顔負けの豪快なレースが特徴です。

予想する側から客観的に見た感じではスタートが上手いというよりは、肝が据わっていて度胸があるという風にも見えます。なのでフライングを連発してF2持ちってのが頻繁にあります、本当にスタートが上手い選手はF2なんて滅多に切りません、藤原選手は田頭実選手寄りかな。

どちらにせよ実力のある女子選手という事で舟券で人気する選手です。

12ヵ月出場停止処分の背景は2020年2月20日の尼崎での女子戦

2020年2月20日尼崎開催の【特別ヴィーナスシリーズ第4戦 UCCカップ】4日目9R

2020年2月20日尼崎開催の【特別ヴィーナスシリーズ第4戦 UCCカップ】4日目の第9Rで事件?は起きた、ポイントは⑤中里選手のエンストと①藤原選手の最終M回っての露骨な減速行為、これは実際に動画を見てもらえるとよく分かる。

分からない人のために詳しく説明すると、⑤中里選手が途中でエンストを起こしてしまい途中で復帰するも「先頭艇(一着)がゴールしてから30秒以内にゴールしなければ失格」というルールがあり間に合わず失格だったところを、先頭艇の藤原選手がゴール前で露骨な減速で帳尻を合わせた事で失格にならなかった(⑤中里選手の失格を回避させるため助けた)というのがこのレースの全貌です。

これに対して6月5日に開催された第335回褒賞懲戒審議会では、向こう12ヶ月の出場停止処分(不適確な航法、騒擾惹起)を下し、斡旋(あっせん)停止となった。

一般財団法人日本モーターボート競走会では、6月1日に順位発表した標記競走の出場選手を本日正式に決定しました。

なお、登録第4627号 藤原 菜希 選手(東京支部)は6月5日に開催された第335回褒賞懲戒審議会において向こう12ヶ月の出場停止処分(不適確な航法、騒擾惹起)が決定し、あっせん停止となりました。

引用元:ボートレース公式サイト

騒擾惹起の可能性がある、と。意図的な減速は着順変動に影響するので確かにやってはいけない行為、先頭艇だからといってもゴールするまで何が起こるか分からない、誰がどう見ても露骨なブレーキングだっただけにね。

※騒擾惹起(そうじょうじゃっき)とは、事件や問題などを起こして社会の秩序を乱すこと。

まくる

即刻帰郷になっていたので何らかの処分はあるんだろうなと思っていましたが、まさか12ヵ月も出場停止とはね、一年無職か、、、フライング休みと違って出場停止処分だとおそらくトークショーとかも厳しいんだろうな。

・帰郷の種類と違いについて

  • 即刻帰郷、走るレースが残っていたとしても今すぐ帰ることを命令されること(一番厳しい)
  • 即日帰郷、節の途中に帰ることを命令されること、スタート事故など特に「非常識なフライング(0.05秒以上のF)」は大体これ。
  • 途中帰郷、選手都合で地元に帰ること(自主的)

12ヵ月出場停止の処分に賛否両論

今回の件については何らかの罰則処分は妥当だしても、12ヵ月出場停止という期間については否定的な意見、藤原選手を擁護する人が多いようです、一部まとめて紹介します。

他の女子選手からはこんな声も。

12ヵ月出場停止は長すぎるという声がほとんど、ボートレーサーは個人事業主なので事実上1年間無職という事ですからね、フライング休みの間はバイトして生活費を稼ぐ選手もいるくらいですから、1年は確かに長いよな、、、

休んでも税金の支払いはあるし、12ヵ月出場停止ともなると復帰した時にはおそらくB2スタート、級が落ちると斡旋回数は激減するので収入も大幅減(だから事故パン選手は慎重に走る)、更にA級まで戻すのには大体1年かかるので2年間(収入ゼロ一年+低収入)はシビアな生活を強いられることに(こういう時は大体他の選手から助けが入る)

12ヵ月出場停止の処分は妥当か否か

争点となっている12ヵ月出場停止というボートレーサーにとって極めて重い罰則期間は妥当だったか否か、似たような前例がないか調べてみた。

2015年5月13日桐生第10Rの事故艇回避

13日の桐生10Rで、伊藤将吉と梶原正が即刻帰郷となった。1周BS中間地点で藤岡俊介が転覆したが、ターンマークから遠い位置だったため、その後の周回の2周1Mでスピードを緩める必要はなかった。

だが、先頭を走っていた伊藤(1号艇)と2番手追走の梶原(5号艇)は減速。3番手だった島田賢人(6号艇)が速度を落とした2人を差し切り、1着で入線した。(1)(5)(6)で決まりかけていた舟券が、あっという間に(6)(5)(1)。1万3330円の好配当のはずが10万9310円のビックリ配当に化けたのだからファンも目を丸くするしかなかった。

伊藤と梶原には「騒擾(そうじょう=騒ぎを起こし社会の秩序を乱すこと)を引き起こしかねない航法を行った」指導事項違反と見なされ、即刻帰郷の処分が下った。

引用元:スポニチニュース

これは転覆艇を回避する事で出来上がっていたレースで、減速する必要がなかった2周1Mで二艇が減速した事で三番手にいた六号艇の選手が一着となり133倍が1090倍に大化けしてしまった。途中まで当たっていお客さんはさぞかし怒ったことだろう。

これに関しても藤原菜希選手と同様に「騒擾を惹起する行為」として即刻帰郷の処分を下している。しかし、12ヵ月出場停止という罰則には至っていない。

2018年4月16日江戸川第8Rの周回誤認

江戸川ボートの開催2日目8Rで5着の中村魁生(19)=大阪・119期・B1=が、「騒擾(そうじょう)を惹起する可能性のある航法」による失格で即刻帰郷となった。

問題とされたのは、3周ホームストレッチでの行為。3番手を争っていた中村は、他艇の動向を確認しようとして、操縦席で立ち上がるような動作をした。これが選手責任による内規違反と判断された。

このレースで中村は、6号艇で大外の6コースからスタート。1周1Mでは、ブイ際を差して2番手に浮上。その後は他艇に追い上げられたが、3周2Mまで3番手争いを繰り広げて健闘していた。

引用元:デイリーニュース

これは確かに周回誤認っぽい、これも騒擾(そうじょう)を惹起する可能性のある航法として即刻帰郷処分となっている、三着競りワンチャンあったし買ってたお客さんは多そう、自分なら激オコ間違いなしだ。しかしこれも、12ヵ月出場停止という思い罰則には至っていない。

ちなみに、これまで何度も使用している「騒擾を惹起する可能性のある航法」ってのは言ってしまえば「八百長が疑われる航法(そう捉えられる可能性のある航法)」のこと、公式的には大っぴらに言えないがおそらくそういう事。

中村亮太選手の2年間出場停止

日本モーターボート競走会が、A1級レーサーの中村亮太(32=長崎)を12カ月間の出場停止処分としたことが分かった。中村は2月3日、ボートレース大村でSG「第40回笹川賞」(5月21日開幕、福岡)のファン投票イベントに参加していた際、投票用の専用マークシートに自分の欄をマークしてファンに配布したことが判明。ファンの一部から同レース場へ苦情が寄せられた。競走会は2月25日に褒賞懲戒審議会を開き、中村を翌26日から12カ月間の出場停止処分とした。

中村は2月14日から審査期間中2本分のFで90日間休みに入っていた。14年2月25日までの出場停止処分の後、残りのF休みを消化(14年5月14日まで)。さらに中村は選手会からも12カ月間の自粛欠場を勧告されており、少なくとも15年5月中旬までレースに出場できない。

引用元:スポニチニュース

ファン投票イベントでお客さんに自分の欄にマークしたマークシートを渡した事が問題に、笹川賞(現ボートレースオールスター)への出場権利獲得を意識したファンへのパフォーマンスが裏目に出た。

これまで紹介したものとはタイプが全然違うが、藤原菜希選手と同様に12ヵ月の出場停止処分という厳しい処分に賛否両論あった、中村選手の場合は選手会からも12ヵ月自粛要請があったため実質24か月出場停止処分というこれまでにない厳しい処分となっている。

中村選手としては「応援してください!」というアピールだったのかもしれないが、間接的に八百長を匂わすような行為と捉えられてしまい不本意だっただろう、普通に考えたら何かヤバイ気がすると察知してやらないもんだがね。汗

まくる

ってか、「一部ファンからは同レース場へ
苦情が寄せられた」ってそれは本当にファンなのか、ダメな事はダメと言ってあげるのも優しさなんだろうが。自分ならその場でそれは辞めた方がいいですよと本人に言うな確実に。

八百長を匂わせると処罰は重くなる傾向

こういった例を見て考えてみると、八百長を匂わす行為は大体処罰が重くなる傾向にある。「騒擾を惹起する可能性のある航法」なら即刻帰郷は当たり前と言った流れが何年も前からあるわけだし。

期間についても中村選手のように本人の意思に関係なく八百長を匂わせる行為そのものに対しては重い罰則を課せられる傾向にある、今回の藤原選手の一件も「本人の意思に関係なく八百長を匂わせる行為」にあたる、先頭艇を走っていてゴール前で着順が変わる可能性は限りなく低かったとしても客観的に見てどうかが重要で、全ての人が藤原選手の行動に拍手を送るとは限らない。もしかすると八百長か?と思った人もいるかもしれない。

八百長事件を巻き起こした西川元選手の一件からタイミングも悪かったというのは事実としてあるのだろう、尼崎競艇場で起きた接触事故からルールが厳格化したという背景もあるのだろう。

しかし、だからこそルールはルールとして守らなければいけない。八百長事件の一件からそういった事が二度と起きないようにと全選手一丸となったはず。そんな背景がありながら半年も経ってないうちにこんな行動をされてはお客さんに示しがつかない。

まくる

私は別に藤原選手が嫌いなわけじゃない、むしろ度胸のある選手でレースを作る腕を評価し陰ながら応援している。それでも今回の処罰は長いなと思うこそすれ期間短縮をとは思わない。

更に言うと、これまで「忖度なしに全力で走っています」という選手道とも言える共通の姿勢に再び泥を塗ってしまったのは大きい。かつて服部幸男選手が起用されたCMでは「水の上では、先輩も後輩もない!」というセリフ(台本)があったが、これもボートレースは公平に常に全力で(忖度なしに)レースをしていますというアピールだ。

ボートレース番組でも選手に対して、事故パンやフライングがあったり無理にいけない時は?という問いに対しても「無理しないですね」とは言わず「出来る限り頑張ります」「精一杯走っています」と濁した回答になるのも忖度なしに走っているという共通の意識をブレさせないため。

まくる

ついこの間、ボートレースで人気の演者を起用したライブ配信で、とあるレース展開に「忖度した」と演者が勢いあまって口にしてしまい、他の演者が「忖度ではなくこういった展開でこうなった」と言い直してフォローする一面もあった。それくらい敏感になるくらいタブーなんだ。

そりゃそうだ、水の上でも忖度があるという事実を認めてしまったらお金を払って舟券を買うお客さんはどうなる。まくり差せだけど一号艇が地元の大先輩でA級復帰がかかっていたので追走して1-3止まりで忖度しました、なんて事をされたら予想も何もあったものじゃない、公営ギャンブルとして破綻しかねないので「忖度は絶対にない」というのがボートレース界のスタンス。

先ほど紹介した中村選手の一件では「業界の品位を汚し、競走の信用を失墜させた」と褒賞懲戒審議会から下されたが、まさにこの部分。

話を戻すと、藤原選手がエンストした中里選手を助けるような行為(実際に助かった)は、美談に聞こえる一方で「ボートレースには忖度がある」という事実を選手がレースで体現し認めた形となる。藤原選手は優しいなと思う人がいる一方で、「やっぱり忖度があるんだ」と思う人もいるわけだ、これはつまり「業界の品位を汚し、競走の信用を失墜させた」とも言える。

八百長事件の記事でも触れたが、ボートレース界はかつてのダーティーなイメージを払拭するために広範囲に渡ってかなり努力をしてきた、群馬を代表するSGレーサー江口晁生選手(毒島誠選手の師匠)の卒業論文もその一つだ(競艇界のさらなる発展に向けた改善策に関する研究

気軽に来れるように施設を増設したり、汚いと避けられていた部分は綺麗に清掃し整備もした、女性でも気軽に来れるように田中圭をはじめとする芸能人やタレントも積極的に起用しクリーンなイメージ作りも心がけた、仕事で忙しく場に来れない人向けにネット投票も整備した、見て楽しむ層には動画関連も整えた(人気演者を起用した動画制作、ライブ配信の強化)これらにはかなりのお金が動いているのは間違いない。

そういった業界全体の努力が売上に繋がり、私達に返ってきている。その中で西川元選手の一件で「ボートレースは八百長がある」という嫌なイメージが戻り、藤原選手の一件で「ボートレースには忖度がある」という事実はボートレース業界としてはあまりにも影響が大きすぎるのではないでしょうか。

早めに審判員が失格にしていたらという声もあるが、実際にエンストから復帰した事実もあり、早々に失格の判断を下すルールとするなら選手にとっては何のメリットもない(立ち直せる可能性が消える、失格より6着の方が圧倒的に良い)、そういった選手の気持ちを汲み取った上での30秒ルールだと私は思っている。

まくる

全てに目を通したわけではないですが、藤原選手の一件はファン目線での意見が目立っていて、ボートレース業界としての意見が少ない気がします。

「重い処分の割に説明が少ない」「選手の声も聞きたい」「審判員の判断」など色々意見はあると思いますが、それでも12ヵ月出場停止は長いと思いながらも覆すには至らないと私は思います。

まくる

ボートレースには間違いなく忖度が存在するという事実は予想するのが好きな自分にとっては結構ダメージが大きい。疑問に思うレースは今までたくさんあったけど、今回の一件でやっぱりあれも忖度だったんだろうなって思ってしまいますよ。

サラリーマン

忖度読み展開予想とか無理ゲーだな、ボートレースはレース中に忖度する選手がいるみたいだし、お金なんて賭けれたもんじゃない。やっぱり競馬に戻ろうっと。

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