性能が良すぎるモーターを人はお化けモーター(超抜モーター)と呼ぶ、今回は歴史にも記憶にも残るボートレースの歴代お化けモーターを紹介します!
目次
超抜モーターとは
超抜モーターとは、ボートレースにおいて全ての性能が最上位級のモーターのことを言います。特に調子が良いモーターは「お化けモーター」と表現することもあります。
モーター性能は選手の整備力に大きく影響を受けますが、超抜モーターに限っては元々素性が良いケースが多く、選手が整備しなくてもそのまま使うだけでそのポテンシャルを発揮する事ができます。
また、その節間で一番調子が良いモーターを「節一モーター」と呼んだり、その節に限らずずっと調子が良いモーター(優出・優勝回数が一番多いモーター)を「エースモーター(エース機)」と呼んだりします。
競艇史に残るお化けモーター
ボートレース平和島の36号機
平和島36号機の通算成績 | |||||
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1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
83回 | 49回 | 29回 | 22回 | 13回 | 9回 |
優勝 | 5回 | ||||
優出 | 14回 | ||||
勝率 | 7.55 | ||||
2連対率 | 64% | ||||
3連対率 | 78% |
お化けモーターと言えば平和島36号機が有名です、通算成績を見ればモンスターエンジンと呼ばれる理由が分かるかと思います、優出14回・優勝5回という華々しい成績を残しています。
勝率7.55も驚異的でこのモーターを使えば三着以上、誰でも予選突破は確実。3連対率が78%もあるので4回走れば3回は舟券に絡んでくる計算となり、このモーターを使用している選手を買わない選択肢は当時ありませんでした。
更に、ダービー選考期間(172走)の勝率は7.74というヤバイ数字を残しており、このモーターをずっと使い続けていれば誰でもダービーに出場できるという事、仕組み上無理な話ですがそれくらい成績が良かったんですね。
2002年に平和島で開催されたSG総理大臣杯(現ボートレースクラシック)では、地元の野澤大二選手(3534)が36号機を引き当てて、順調に優勝戦まで駒を進めて最後は4カドからまくり切って初のSG制覇を成し遂げています、スリット通過してからの伸びが異常で1Mのかなり手前で既に一艇身前にいますからね。笑
お化けモーター誕生の逸話としては、元々36号機は素性の良いモーターで、松村昌子選手(3225・引退)が転覆した事で大幅整備を実施したところ、ビックリするくらい性能が良いモーターに化けて帰ってきたという話が有名です。
転覆した本人が一番ビックリしていて、結局その転覆を除けば全て一着で最後は2コースからまくって初優勝をプレゼント。以降は誰が使っても勝てるモーターとしてお化けっぷりを遺憾なく発揮。
平和島の36号機は競艇時代を代表するお化けモーターだ、おそらく今後このモーターを超えるエンジンは平和島からは出てこないと思う。
ボートレース戸田の44号機
戸田44号機の通算成績 | |||||
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1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
89回 | 43回 | 33回 | 16回 | 23回 | 13回 |
優勝 | 8回 | ||||
優出 | 14回 | ||||
勝率 | 6.97 | ||||
2連対率 | 59.19% | ||||
3連対率 | 73.99% | ||||
出走回数 | 223走 |
時は移り、競艇時代からボートレース時代へ、イン逃げ至上主義の中で幾度となくまくりを決めるモーターが存在した、それが戸田44号機だ。
通算成績を見ればそのポテンシャルがよく分かる、注目すべきは優勝回数8回という成績、優出回数が14回なので優出したら半分以上は優勝まで連れていってくれるという計算になる(戸田はモーター性能が結果に影響しやすい)
10年に一度の怪物機と呼ばれるこのモーター、節一とかエース機とかそんなレベルでは語れないくらいのお化けモーターっぷりで選手の間でも有名となる。
群馬の英雄と名高い山崎智也選手(3622)も記者の質問に「44号機?知ってるよ。優勝かフライングかのエンジンでしょ?」と語る。2016年11月に道中抜き返して完全優勝を果たした村上純選手(3919)は「訓練生でも勝てる」とも冗談交じりに語っている。
44号機の持ち味は何と言っても直線の伸び、スタートが多少遅れても行き足で持ち直し、外マイすれば伸びて内の艇を2~3艇身突き放す、道中で抜かれても直線で抜き返す、枠に関係なく勝てる名機に「フライングしそうでスタートが怖い」という選手の声も。
44号機の前では選手の級は関係なかったようで、このモーターのおかげで初優勝や優出を手にした選手は少なくない。